20100930 (a)
一枚の窓硝子により絶えず裏返り続けている無数の部屋。
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硝子の椀ですくい出した雨水と、雨水で体を流している足音と、足音の背中に光る雨の粒もしくは足音の背中で雨をしている光りに見とれている靴紐と、時間を流れていく空の青と、空の青を流れていく一枚の窓硝子と、一枚の窓硝子により絶えず裏返り続けている無数の部屋。
港町と、人声と、人の形の声と、人の形をした声を追い掛ける叫びや呟きと、体の内側のかたちの目の前と、体の外側のかたちの誰かの目の前と、目の形をしている体と、口のなかで転がしている目玉と、口の中で転がしている光りと、一滴の雨粒が落ちてくるのをじっと見上げて待つ靴紐。
端子と、接続と、通信と、声と、受話器と、耳と、鼻歌と、可聴域の物語と、曲線みたいになっている音楽と、もしくは直線を曲線のようにおいかける力を持った目と、その目を追いかけ続ける精神力を備えた目の観測者と、もしくは視界そのものである観測者と、背筋を伸ばす外の人。