20100825
本当にあった本当のはなし。
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一日であることを見失っていつまでも続く区切りのないなだらかな昼夜と、目の前のただ一点の画素で成り立つ途方もない都市と荒野と、心の目玉で折り返す画素を内向きに覗き込み果てしなく分裂しながらふやけていく六十数億のただ一点を足音が石の上で乾かしている夏のほとり。
つまりは一人であることを見失って果てなく続く区切りのないなだらかな無人である一人と、動機でも行為でもなくいわんや動詞としてでもなく述語としてのみ記述可能な一人であることの匿名の名称と、目眩の内側で足下を支えている余りにも確かな一点と、素肌で宇宙を裏返す足音の裸。
川のほとりの石の上で服を乾かしている足音の裸を視線で確かめている靴紐と、見えない雨で氾濫している川の水を滴らせて今も柔らかな足音の裸と、靴紐の視線を裏返して今も柔らかな足音の裸と、そうかと呟く靴紐と、そうかなと呟く足音と、今もいつでも本当にあった本当のはなし。